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新しい部門の立ち上げには、避けられないリスクが伴う場合があります。成功のための4つのベストプラクティスをご紹介します。

企業が成長し発展するにつれ、様々な機能を促進するために必要な部門も増えていきます。IT、品質保証、研修、人事、マーケティングなどは、まさにその例です。多くのマネージャーにとって、新しい部門の設立は刺激的な経験です。なぜなら、何もないところから何かを生み出す機会であり、創造性、評価、そして昇進の大きな可能性を秘めているからです。しかし、新しい部門の設立にはリスクが伴うため、既存の役割にとどまり、部門のイノベーションに関わる任務を拒否するマネージャーもいます。もし、新しい部門がステークホルダーの期待するほど早く認知され、受け入れられなければ、そのようなマネージャーは職を失う可能性があります。
しかし、起業家精神にあふれたマネージャーで、新しい部門を革新したいと考えている場合、新しいビジネス連合を開発する際に活用できる、新興企業のベストプラクティスがいくつかあります。
1. ステークホルダーと投資家が誰であり、何を期待しているかを理解する
企業が新しい部門を立ち上げるには、何らかの理由があります。それは、新しい部門に対するニーズが認識され、そのニーズが、新部門の設立と資金提供を決意するほどに高まったということです。もしあなたが新部門の責任者であれば、ステークホルダーや投資家が誰であり、彼らが何を期待しているのかをしっかりと理解する必要があります。あなたの仕事は、それらの期待に応え、あるいはそれを上回ることです。
2. 有能な人材を採用する
新しい部署が組織内で評判と地位を築いていくにつれ、あなたは部署の成功を熱心に訴えるでしょう。しかし、日々の業務をすべてこなしながらでは、それは不可能です。だからこそ、優秀な人材を組織に採用し、優れたチームを育成することが重要なのです。
3. 企業の問題点を理解する
企業が独立した品質保証部門を設立したいと考えている場合、おそらくそれには何らかの理由があるでしょう。製品やプロセスの不具合が続いているのかもしれません。かつて財務部門の一部門だったIT部門が独立したIT部門の設置を求められているのであれば、IT技術部門と日常的なITセキュリティ業務が、財務部門のリソースとスキルセットの限界を超えてしまったことが原因かもしれません。マーケティング部門が新たに必要になっているのであれば、営業部門が販売活動のみに集中し、顧客層の分析、戦略計画の策定、プロモーションやキャンペーンの企画といった業務には取り組みたくないと気づいたことが原因かもしれません。企業の課題を早期に把握すればするほど、新部門が価値と課題解決の両方を生み出せる分野が明確になります。
4. ブランド開発に注力する
新しい部門は、新しい会社と同様に、独自のアイデンティティを築き、顧客が求める価値を提供する必要があります。新部門のマネージャーは、この部門アイデンティティを構築し、社内の他部門に提供できる価値を創造する責任を負います。社内の人々が新部門が何を提供し、何を目指しているのかを理解すると、新部門は企業組織に根付き、他の部門と肩を並べる存在へと成長していくでしょう。
企業内に新しい部門を立ち上げることとスタートアップを立ち上げることには多くの類似点があります。新しい事業体のマネージャーとして、構成員の信頼を育み、組織のブランドとアイデンティティを構築し、信頼性を構築する必要があります。価値は、課題を解決し、会社を前進させることができることを継続的に実証することで創造されます。プロセスの初期段階では、新部門の育成とプロモーションが主要な役割となります。優秀な人材を採用し、結束力のあるチームを構築できれば、仕事ははるかに容易になるでしょう。
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メアリー・シャックレット
メアリー・E・シャックレットは、技術調査・市場開発会社であるトランスワールド・データの社長です。同社設立以前は、金融サービス企業TCCU, Inc.でマーケティング・テクノロジー担当シニアバイスプレジデント、コンピュータソフトウェア企業Summit Information Systemsで製品研究・ソフトウェア開発担当バイスプレジデント、そして半導体業界の多国籍製造企業FSI Internationalで戦略計画・テクノロジー担当バイスプレジデントを務めました。彼女は基調講演者であり、1,000本以上の論文、調査研究、テクノロジー関連の出版物を出版しています。