
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、Microsoftが最近公開したWindows 10 Creators Updateのデモビデオには、アップデートで追加される新機能を示す画像が次々と流れていました。画像の大部分は3Dクリエイティビティ、複合現実、ゲームに関するものでしたが、ビデオの0:58の短い部分で、Windows DefenderがWindowsアプリとしてアップデートされることを示す画像が表示されました(図A)。
図A

Windows Defender は Windows アプリになる予定です。
このビューに基づいて更新されたツールに関する実際の詳細を識別することは困難ですが、スクリーン ショット (図 B )を拡大すると、Windows ファイアウォール、ファミリー セーフティ、およびコンピューターのパフォーマンスと正常性と呼ばれる機能など、いくつかの他の重要な機能が Windows Defender に統合されることがわかります。
図B

拡大してみると、いくつかの重要な機能が Windows Defender に統合されることがわかります。
確かなことが 1 つあります。将来、Windows Defender は、Microsoft Security Essentials と Windows Defender で長年見てきた同じ古いユーザー インターフェイスを最終的に廃止することになります。
さて、Windows Defender の将来を垣間見たので、次は Windows Defender の過去と現在を詳しく見てみましょう。
参照: セキュリティ意識向上とトレーニングポリシー
過去
2004年、MicrosoftはGIANT Anti-Spywareを買収し、Microsoft製品への転換に着手しました。Microsoft AntiSpywareという暫定的な名称を含む長期にわたるベータ版開発サイクルを経て、2006年にWindows XPおよびWindows Server 2003向けのスパイウェア対策ツールであるWindows Defenderとして最終製品をリリースしました(図C)。
図C

Windows Defender が最初に登場したとき、Windows XP にスパイウェア対策を提供していました。
2007年にWindows Vistaがリリースされた際、Windows DefenderがOSに組み込まれ、ネイティブのスパイウェア対策ツールが提供されました。しかし、完全な保護を実現するには、別途ウイルス対策プログラムが必要でした。Windows Defenderは、図Dに示すように、セキュリティセンターの「スパイウェア対策」セクションにデフォルトで統合されていました。
図D

Windows Vista では、Windows Defender がオペレーティング システムに組み込まれました。
もちろん、Windows Defender も Windows 7 に組み込まれました。しかし、Microsoft は、ネイティブのスパイウェア対策ツールがあることは大きな利点であるものの、インターネットに潜むあらゆる種類の悪意のあるプログラムからオペレーティング システムを保護するには十分ではないことを認識していました。
Windows 7の発売直後、MicrosoftはMicrosoft Security Essentials(図E)を別途無料ダウンロードとしてリリースしました。Microsoft Security Essentialsは、コンピュータウイルス、スパイウェア、トロイの木馬、ルートキットなど、あらゆる種類の悪意のあるソフトウェア(マルウェア)から保護する、はるかに強力なセキュリティツールでした。Windows VistaまたはWindows 7にインストールすると、Microsoft Security EssentialsはWindows Defenderを無効化し、マルウェア対策の機能を全て引き継ぎます。
図E

Microsoft Security Essentials は、さまざまな種類の悪意のあるソフトウェアから保護します。
2012年にリリースされたWindows 8には、Windows Defenderというツールも含まれていましたが、そのバージョンでは、Microsoft Security Essentialsと同じマルウェア対策システムをこのツールに搭載しました。つまり、Windows 8は、最初から完全なマルウェア対策機能を備えた最初のWindowsバージョンとなったのです。(この歴史にご興味をお持ちの方は、Windows 8信頼性・セキュリティチームのグループプログラムマネージャーだったJason Garmsが、Windows 8でWindows Defenderと関連テクノロジーの初デモを行った動画をご覧ください。)
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現在
2015年にリリースされたWindows 10には、Windows 8に搭載されていたWindows Defender(図F)と基本的に同じ機能が搭載されていましたが、Windows Defenderの設定がWindows 10の設定に統合されました。最新バージョンのWindows 10には、シグネチャベースのスキャンを回避するために外観を変えるマルウェアを挙動分析によって検出する機能も含まれています。
図F

Windows 10 の Windows Defender。
Windows 10 の Windows Defender のもう一つの機能は、クラウド保護システムと自動サンプル送信機能です。この機能により、Windows Defender はユーザーのマシンで検出されたマルウェアに関するデータを Microsoft のマルウェア対策センターに送信できます。これにより、Microsoft は新たなマルウェアを常に把握し、Windows Defender の保護機能を継続的に改良することができます。
一部の悪意のあるソフトウェアは Windows の実行中に削除するのが難しい場合があるため、Windows Defender には、GUI が読み込まれる前に PC を再起動して完全スキャンを実行するオフライン モードがあります。
Windows Defender をメインのウイルス対策ソフトウェアとして使用していない場合でも、Windows Defender は役立ちます。サードパーティ製のウイルス対策パッケージをインストールすると、Windows Defender は一時的に停止しますが、「限定的な定期スキャン」という追加設定が表示されます。限定的な定期スキャンを有効にすると、システムを使用していないとき、およびメインのウイルス対策ソフトウェアがスキャンを実行していないときに、Windows Defender が定期的に実行されます。そして、メインのウイルス対策ソフトウェアが検出できなかったマルウェアがないか、システムをスキャンします。
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