IT運用におけるAIと可観測性:パフォーマンスは向上するのか? - TechRepublic

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マルチクラウド、マルチデータセンター環境において、IT部門はアプリケーションの追跡とトラブルシューティングのための新しい方法を必要としています。オブザーバビリティツールはそれを実現します。

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画像: iStockphoto/NicoElNino

1960 年代初頭、ハンガリー系アメリカ人エンジニアのルドフ・E・カルマンは、「システムの内部状態をその外部出力の知識からどれだけ正確に推測できるかの尺度」と定義されるシステム観測可能性の概念を提唱しました。

IT 分野では、ネットワークとシステムの可観測性は、ソフトウェアにパッケージ化されていたり、社内で開発されていたり、後にネットワーク管理ソフトウェアに付属するユーティリティの「修正」プログラムによって促進されました。

時間の経過とともに、より多くの自動化と予測分析が技術的なワークフローに組み込まれ、ネットワークとシステムの監視とアラートにより、問題が発生するずっと前に問題 (ディスク ドライブの障害など) が通知されるようになったため、IT 部門はサービスを中断することなく問題を解決できるようになりました。

これらはすべて、従来のコンピューティングにおけるモノリシックなスタックやプラットフォームで長年機能してきた、成熟した成功したアプローチです。しかし、アプリケーションが複数のクラウドやデータセンターにまたがるハイブリッドコンピューティングへの移行に伴い、アプリケーションワークフローで何が起こっているかを細部まで把握することは不可能になりつつあります。なぜでしょうか?それは、現在導入されているネットワーク監視ツールやシステムユーティリティは、異なるコンピューティングプラットフォームを横断してすべてのアクションを追跡することを目的として設計されていないためです。これらのツールが得意としていたのは(そして今も得意としているのは)、特定のシステムやネットワークで何が起こっているかをログに記録することです。

参照:人工知能倫理ポリシー(TechRepublic Premium)

「モノリシックなアプリからマイクロサービスへの移行は、時に大きな負担となる可能性があります」と、GlobalData PLCのアプリケーションプラットフォーム、エンタープライズテクノロジー、サービス担当主席アナリスト、シャーロット・ダンラップ氏は述べています。「Kubernetesのようなコンテナ化された環境で実行されるアプリケーションの監視と最適化は、ほぼ不可能に近い作業です。その結果、DevOpsの取り組みに参加する企業は、基盤となるインフラストラクチャへの洞察を向上させるために、アプリケーションライフサイクルの早い段階で可観測性の実装方法を再検討せざるを得なくなっています。」

企業のIT部門は、マルチクラウドおよびデータセンター環境において完全な可視性(およびトラブルシューティング能力)を実現するために、この問題に対処する必要があります。ここで、オブザーバビリティ(観測性)ソフトウェアが役立ちます。

ネットワークおよびシステム監視ソフトウェアと同様に、オブザーバビリティソフトウェアは、あらゆるシステムおよびネットワークサイロにおける問題のトラブルシューティングを可能にするログを提供します。しかし、オブザーバビリティソフトウェアはさらに一歩進んで、アプリケーションが利用する可能性のある複数のデータセンターやクラウドで構成されるハイブリッドネットワーク上のすべてのアプリケーションのアクティビティとコンポーネントを完全に追跡します。さらに、オブザーバビリティソフトウェアは各アプリケーションコンポーネントのパフォーマンスを測定します。

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最終結果として、IT 部門は、クラウドとデータセンター IT インフラストラクチャのハイブリッド チェーン上の各アプリケーション コンポーネントのパフォーマンスに関するログとパフォーマンス メトリックを取得し、さらに各コンポーネントの詳細なアクティビティ ログも取得できるようになります。

これにより、ハイブリッドクラウドとデータセンターインフラにおけるアプリケーションパフォーマンスのエンドツーエンドの可視性が回復し、ITシステムプログラマーとネットワーク管理者はアプリケーションパフォーマンスの問題をより迅速に解決・調整できるようになります。また、可観測性に人工知能(AI)レイヤーを追加することで、システムやネットワークのアラートではフラグ付けされるものの、実際には問題解決には重要ではない「ノイズ」を除外できるため、問題解決までの時間を短縮できます。

マルチクラウドおよびデータセンター環境におけるアプリケーションの360度可視性を再確立するために、これらの新しいツールを導入するのはIT部門の責任です。Statistaは、2024年までに世界の可観測性市場が198億ドルに達すると予測しており、企業はこのメッセージを理解し始めているようです。

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メアリー・シャックレット

メアリー・E・シャックレットは、技術調査・市場開発会社であるトランスワールド・データの社長です。同社設立以前は、金融サービス企業TCCU, Inc.でマーケティング・技術担当シニアバイスプレジデント、コンピュータソフトウェア企業Summit Information Systemsで製品研究・ソフトウェア開発担当バイスプレジデント、半導体業界の多国籍製造企業FSI Internationalで戦略計画・技術担当バイスプレジデントを務めました。基調講演者であり、1,000本以上の論文、調査研究、技術出版物を出版しています。

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