以前、RAID-10やRAID-50といったハイブリッドRAIDレベルを含む、様々なRAIDレベルについてご紹介しました
。データ保護に関する一連の記事では、
非標準RAIDレベルについてもご紹介します。非標準RAIDレベルの中には
特定のメーカーからしか提供されていないものもありますが、徐々に普及しつつあるものもあります
。
RAID 1E(ストライプミラーリング、拡張ミラーリング、ハイブリッドミラーリング)
RAID 1E(ベンダーによってはストライプミラーリング、拡張ミラーリング、ハイブリッド
ミラーリングとも呼ばれる)は、RAID 0のストライプ機能
とRAID 1のミラーリング保護を組み合わせたRAIDレベルです。このRAID方式がRAID 10によく似ていると思われる場合は、
RAID 1EとRAID 10の
重要な違いを1つ理解する必要があります
。RAID 1Eはデータ保護の目的を達成するために奇数台のディスクを使用します
が、RAID 10では偶数台のディスクを使用する必要があります。
RAIDレベル0と1はそれぞれ最低2台の
ディスクが必要ですが、RAID 1Eは最低3台のディスクが必要です。RAID 10は
少なくとも4台のディスクが必要であることにご注意ください。RAID 1と同様に、RAID 1Eではディスク
容量の50%のオーバーヘッドが発生します。つまり、アレイの総容量の半分しか
使用できません。
RAID 1E は、RAID 0 のように
アレイ内のすべてのディスクにデータをストライピングすることで機能します。ただしご存知のとおり、RAID 0 はアレイ内のディスク
が1 つ失われると
アレイに保存されているすべてのデータが失われる
ため、エンタープライズ環境には理想的ではありません。RAID 1E が実用的になるのは
次のステップで、データのコピーがすべての
ディスクにストライピングされるときです。最初の
ストライプとまったく同じようにデータをストライピングするだけでは、データのコピーが元のコピーと同じディスク上に存在し続けるため、役に立ちません
。したがって、RAID 1E は、データの 2 番目のコピーを各物理ディスクに移動します。図 A
をご覧ください。各数字はデータ ブロックを示します。Mの付いた数字は、そのデータのミラー ブロックを示します
。
図A |
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RAID 1Eの仕組みを簡単に説明します |
さて、ディスク5に障害が発生したと想像してください。ブロック3
と8は、ブロック5と10のミラーコピーと共に、そのディスクに保存されています
。しかし、ブロック3と8のミラーコピーはディスク1に保存されているため、アレイはこの障害の影響を受けます。理論上、RAID 1Eアレイでは、ディスクが隣接していない限り、複数のディスクが故障する可能性があります。例えば図Aでは、ディスク1のブロック1と6がディスク2にミラーリングされ、ディスク3のブロック2と7がディスク4にミラーリングされている状態で、ディスク1と3が故障する可能性があります。
RAID 1Eは、従来のRAID 1アレイよりも高いパフォーマンスを提供できる可能性があります
。ディスク数が奇数の場合、RAID 1Eはより多くの
スピンドル(多くの場合、2つではなく3つのディスク/スピンドル)を提供します。RAID
1と同様に、RAID 1Eの主な欠点は、50%のディスクオーバーヘッドです。RAID
1Eのもう一つの大きな欠点は、コントローラメーカーからのサポートが比較的少ないことです。
まとめ
RAID 1Eは、RAID 1よりも多少のパフォーマンス向上が必要で、RAID 10は避けたい場合に、RAID 1の興味深い代替案になりそうです
。RAID 1Eでシステムを運用されている方はいらっしゃいますか?もしいらっしゃいましたら、コメント欄に
ご意見とご経験をお聞かせください。
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